癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
馬車の扉がひとりでに開いた。ソフィアは恐る恐る馬車から降りると、目の前に騎士らしき者が立っていた。

「お待ちしておりました、ソフィア様。私達はあなたに危害を加えるつもりはありませんので、どうぞご安心ください。ではこちらへ。」

その騎士に言われるままに、ソフィアは城内へ案内された。

案内されたのは王の間だった。

一段上がったところに、バスク王子が玉座に座っていた。

「おお!ベルデの言った通りになった!癒しの方からこちらに来てくれるとは!」

バスク王子は上機嫌で、玉座から立ち上がり、ソフィアの方に近づいてきた。

そしてソフィアの前に立つと、ソフィアの顎をクイッと持ち上げ、まじまじと見つめた。

「やはり。思った通り美しい。」

というと、

「おじいちゃんはどこ?」

と、ソフィアはキッとバスク王子を睨みつけ問いかけた。

バスク王子はソフィアの顎から手を離すと、

「会わせてやれ。」

と、騎士に言ってから、マントを翻し、再び玉座に座った。

騎士は、ソフィアに、

「こちらでございます。」

と、言って、自分の後に付いてくるように促した。ソフィアは黙って騎士について行った。
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