癒しの君と炎の王~炎の王は癒しの娘を溺愛中~
ファイアウォール城

朝になり、アンが内扉を開け、ソフィアを起こしに来た。
しかし、部屋にはソフィアの姿が見えない。

「ソフィア様?」

アンが部屋中を探すがどこにもいない。
アンの顔が真っ青になる。慌てて扉を開け、廊下を見る。どこにもいない。アンは、廊下の入り口まで走って行き、衛兵に、

「ソフィア様は?ソフィア様はここを通らなかった?」

「通っておりませんが…。」

「本当に?」

「昨晩は誰一人通っておりません。」

「ありがとう。」

と言うと、急いで部屋へ引き返し、ベランダを確認する。やはりいない。アンは恐る恐るベランダから下を覗いた。やはり何もない。

アンは、部屋を飛び出し、急いでアルバート、メイド長に報告した。

アルバートからロエルに報告が行き、衛兵、騎士達が城中を捜し回った。そして、朝、城にやって来たニックの耳にも入った。

「そういえば、少し様子がおかしかった気がする。」

と、ニックが言った。

「情けない、俺は何も気づけなかった。」

と、ロエルは力なく答えた。ハリス騎士が、

「城中捜しましたが、どこにもいません。」

と、報告に来た。ロエルはハリスに、

「ご苦労だった。お手上げだ。すぐに西の魔女を呼んでくれ。」

と、言った。

「俺が飛んで行った方が早い。」

とニックが言った。

「頼む、ニック。」

と言うと、ニックはそのままベランダの囲いを跳び越えると、身体は宙に浮き、そのまま巨大なドラゴンに変身したかと思うと、大きな翼を広げ、西の魔女のいる山へ向かって飛び立った。
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