【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】
やわらかく微笑まれて、断る隙もなくうなずいてしまった。
相変わらず私の手の上から両頬を包んでいる手に、軽く顔を持ち上げられる。そのまま、もう一度唇に遼雅さんからのキスが降ってきて、何一つ言葉を返せなくなってしまった。
「かわいい」
「かわいくな、いれす」
喋っている途中に両頬に力を加えられて、言葉がうまく紡げなくなってしまった。
「うん? 聞こえなかった」
「うう、かわいう、ないれす」
「あはは、もう、本当に、どうやったらそんなにかわいくなれるんですか」
「む、う……、はなひて、くらはい」
「ああー、もう。かわいいな」
「りょ、がさん」
「じゃあ、離すかわりに、お願い聞いてもらえる?」
「……な、んれすか」
ぱっと手を離されて、抗議するように軽く睨んでみる。それもまったく効いてくれない遼雅さんがとろけそうに微笑むから、まいってしまった。
「あとで話すよ」
いたずらな笑みで流されてしまった。
問いを立てることもできずに、頷いてソファに向かった。
遼雅さんに触れられていた、手の甲があつい。
やっぱり平熱が高い人なのだと思う。
手持無沙汰でソファのクッションを抱えながらテレビを見つめて、キッチンから出てきた遼雅さんにあっけなく声をかけられた。