半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
驚きの声が上がった。「意外ともふもふ」やら、「たぬきがーっ」やら、「近くでみると大変可愛いですわっ」やら、一気に騒がしくなる。
「カ、カマル、いいから戻ってきなさいっ」
さーっと青い顔をして、リリアはどうにか収拾せねばと声を投げた。
その時、沢山の人がいる中から「うわっ」と声が上がった。
「君、一体なんですか!?」
「ははっ、いいからいいから」
そんなカマルの声が聞こえたかと思ったら、人々の間から「よいしょ」と彼の丸いボディが出してきた。
その小さい右前足で、堂々と一人の男の手を捕まえている。身長差があまりにもありすぎて、その人は前屈みになってしまっていた。
「ほらっ、姫様が好みだと口にしていた『正統派騎士』! それでいて『性格良さそう』『爽やかで優しい気配のイケメン』です!」
ざわっ、と途端に周囲一帯が困惑に包まれた。
「え、正統派の……なんだって?」
「好み?」
「つうかあれ、コンラッド様じゃ――」
と、カマルが引っ張ってきた男性が、不意に顔を上げた。
リリアはバチッと目が合った。しかし、同時に、割れた人垣の向こうにサイラスの姿があることに気付いた。
……あれ? これってもしかして、あいつの護衛騎士じゃない?
「カ、カマル、いいから戻ってきなさいっ」
さーっと青い顔をして、リリアはどうにか収拾せねばと声を投げた。
その時、沢山の人がいる中から「うわっ」と声が上がった。
「君、一体なんですか!?」
「ははっ、いいからいいから」
そんなカマルの声が聞こえたかと思ったら、人々の間から「よいしょ」と彼の丸いボディが出してきた。
その小さい右前足で、堂々と一人の男の手を捕まえている。身長差があまりにもありすぎて、その人は前屈みになってしまっていた。
「ほらっ、姫様が好みだと口にしていた『正統派騎士』! それでいて『性格良さそう』『爽やかで優しい気配のイケメン』です!」
ざわっ、と途端に周囲一帯が困惑に包まれた。
「え、正統派の……なんだって?」
「好み?」
「つうかあれ、コンラッド様じゃ――」
と、カマルが引っ張ってきた男性が、不意に顔を上げた。
リリアはバチッと目が合った。しかし、同時に、割れた人垣の向こうにサイラスの姿があることに気付いた。
……あれ? これってもしかして、あいつの護衛騎士じゃない?