半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
――リリアが、騒いでいたその一方。
学院からの帰りの馬車内で、コンラッドは大変困っていた。
胃がギリギリする。それもこれも、学院で遭遇した一騒ぎのせいである。
あのあと、周りから色々と質問も飛んで、サイラスは不機嫌だった。だんまりを決め込まれている車内の空気が、とても重い。
「なぜ、こんなことに……」
そのまま視察の用事があったので、学院まで迎えにいった。合流して、手配していた馬車へ向かっていたところ、唐突に一匹の丸々っとした〝狸〟が飛び出してきたのだ。
――正直、なんだ、これ、と咄嗟の反応もできなかった。
大都会で見掛けないはずの狸。わーい、と警戒心もなく真っ直ぐ飛んでくる、野生失格のキラキラと輝くつぶらな瞳をした、狸。いいもの食べているんだろうなと思わせる、もっふもふな丸い体……。
動物に懐かれた記憶もなくて、どう対応していいのが分からなかった。
『兄さん。こっちですぜ!』
『えっ、狸が喋った!?』
学院からの帰りの馬車内で、コンラッドは大変困っていた。
胃がギリギリする。それもこれも、学院で遭遇した一騒ぎのせいである。
あのあと、周りから色々と質問も飛んで、サイラスは不機嫌だった。だんまりを決め込まれている車内の空気が、とても重い。
「なぜ、こんなことに……」
そのまま視察の用事があったので、学院まで迎えにいった。合流して、手配していた馬車へ向かっていたところ、唐突に一匹の丸々っとした〝狸〟が飛び出してきたのだ。
――正直、なんだ、これ、と咄嗟の反応もできなかった。
大都会で見掛けないはずの狸。わーい、と警戒心もなく真っ直ぐ飛んでくる、野生失格のキラキラと輝くつぶらな瞳をした、狸。いいもの食べているんだろうなと思わせる、もっふもふな丸い体……。
動物に懐かれた記憶もなくて、どう対応していいのが分からなかった。
『兄さん。こっちですぜ!』
『えっ、狸が喋った!?』