半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
すると、サイラスが頬杖を解いて足を組み直した。
「――気が強い令嬢だと聞いていた。そうしたら、泣いたんだ」
物憂げな表情で、彼が思い返し呟く。
「大嫌いだと言われて、泣かれた」
「そうですね。あの日、十二歳のあなたから、そう聞きました」
当時、第二王子殿下サイラスは、誰よりも才能に溢れ、申し分ない実力も持ち合わせていて生意気な王宮の〝問題児〟だった。
あの日、唐突に騎士団の扉を魔法で吹き飛ばして、飛び込んできた。
けれど、飛び込んできた彼が浮かべていたのは、困惑。
そして罪悪感で胸を締めつけられたような、とても苦しそうな顔をした小さな少年が、そこにはいた。
――集まっていた団長クラスの誰もが、普段のような茶化しもできなかった。
魔法部隊軍の指導責任者にして、最年少で騎士団の統括をし、師団を一つ持ってもいたコンラッドも、咄嗟に魔法防衛に出られなかった出来事でもあった。
『何かあったのですか、殿下?』
『確か本日は、我が師団の小隊も護衛に連れての、お見合いだったのでは』
問えば、幼い彼は、胸元をぎゅっとしてこう述べてきた。
「――気が強い令嬢だと聞いていた。そうしたら、泣いたんだ」
物憂げな表情で、彼が思い返し呟く。
「大嫌いだと言われて、泣かれた」
「そうですね。あの日、十二歳のあなたから、そう聞きました」
当時、第二王子殿下サイラスは、誰よりも才能に溢れ、申し分ない実力も持ち合わせていて生意気な王宮の〝問題児〟だった。
あの日、唐突に騎士団の扉を魔法で吹き飛ばして、飛び込んできた。
けれど、飛び込んできた彼が浮かべていたのは、困惑。
そして罪悪感で胸を締めつけられたような、とても苦しそうな顔をした小さな少年が、そこにはいた。
――集まっていた団長クラスの誰もが、普段のような茶化しもできなかった。
魔法部隊軍の指導責任者にして、最年少で騎士団の統括をし、師団を一つ持ってもいたコンラッドも、咄嗟に魔法防衛に出られなかった出来事でもあった。
『何かあったのですか、殿下?』
『確か本日は、我が師団の小隊も護衛に連れての、お見合いだったのでは』
問えば、幼い彼は、胸元をぎゅっとしてこう述べてきた。