半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
その当時を思い出して、コンラッドは少し笑ってしまう。
「他の妻をとるのは、嫌だとおっしゃっていましたもんね」
サイラスはぶすっとして黙っていた。
けれど、ふっと思い返す目を車窓へと向けた。
「あいつが、化けの皮でもはがれたみたいに泣いたのを見た時、……人間を嫌いになりたくないんだろうなって、そう思ったんだ」
変わったきっかけになった、あの三年以上も前のことを回想する。
どうせ平気だろう、と思って投げた、子供ながらに癇癪を起した言葉だった。
――でもサイラスは、とても後悔した。
父親の腕に抱かれ、一度もこちらを振り返らなかった彼女。何事も思い通りにしてきた自分が、これまでどれほど傲慢に生きてきたのか呵責の念にかられた。
「ふっ、家臣共は言っていたな――『あなたに、妖狐の妻を娶るのは重過ぎる』と」
結婚に反対する派閥だった。最強の魔法使いの称号を得たのち、魔法力のトップに居座り続け、記録を更新し続けて、ようやく何も言わなくなった。
でも反対する一部の者達の理由は、今更リリアを欲するところにもあるのだろう。
学院での彼女の評価は、高い。そして、だんだんと美しくなっていくさまに、つい目を奪われる男女もできてきた。
「他の妻をとるのは、嫌だとおっしゃっていましたもんね」
サイラスはぶすっとして黙っていた。
けれど、ふっと思い返す目を車窓へと向けた。
「あいつが、化けの皮でもはがれたみたいに泣いたのを見た時、……人間を嫌いになりたくないんだろうなって、そう思ったんだ」
変わったきっかけになった、あの三年以上も前のことを回想する。
どうせ平気だろう、と思って投げた、子供ながらに癇癪を起した言葉だった。
――でもサイラスは、とても後悔した。
父親の腕に抱かれ、一度もこちらを振り返らなかった彼女。何事も思い通りにしてきた自分が、これまでどれほど傲慢に生きてきたのか呵責の念にかられた。
「ふっ、家臣共は言っていたな――『あなたに、妖狐の妻を娶るのは重過ぎる』と」
結婚に反対する派閥だった。最強の魔法使いの称号を得たのち、魔法力のトップに居座り続け、記録を更新し続けて、ようやく何も言わなくなった。
でも反対する一部の者達の理由は、今更リリアを欲するところにもあるのだろう。
学院での彼女の評価は、高い。そして、だんだんと美しくなっていくさまに、つい目を奪われる男女もできてきた。