半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 授業を受け持っている教授らからも、リリアは絶賛されていた。

『はい、大変優秀な生徒です。本人は物覚えが悪いなどとチラリと口にしたりしていますが、とんでもない。あやかしが持つ妖力ゆえの産物なのでしょうか』

 度胸があり、基礎を教えれば、発想の転換からすぐ応用へと利かせられもする。

 貴族の妻としては、十分すぎる素質だ。

「――やるつもりはないがな」

 ぎり、と、サイラスが頬杖をついた手に拳を作る。

 これから向かう先も、魔法部隊軍の代表としての仕事だった。彼は自分がどれほど優秀であるのか、徹底して古株らの反論の一つさえも潰しにかかるだろう。

 彼女が十六歳の誕生日を迎える前に、全員一致で婚姻を認めさせるのが目標だった。自分以外に相応しい国の者など、いないだろう、と。

 正直、空気がおっもい。

 コンラッドは、考えてますます顔が引き攣った。

 彼の頑張りを、これまでずっとみてきた。あの狸の一件で、また新たな問題が浮上するのは、まずい。

 学院の方が、少し騒がしくなる予感もした。

 これは自分がフォローせねばと、コンラッドは明日の学院同行を決めた。
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