半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 どうしよう、嫌だなと思っているうちにも、翌朝はきてしまった。

 リリアは、寝付くのにもうんうん悩まされた。いつのまにか寝てしまっていたようだけれど、気持ちよく寝られた感じは全くない。

 カマルの騒ぎの一件は、心配されるかもしれないと考えて父には伝えられなかった。アサギもそこには協力してくれて、リリアはほっとした。

 父のツヴァイツァーが出掛けた後、学院へ行く時、アサギからこっそり一匹の狐を紹介された。

「どうも姫様、わたくし妖狐のフィンです。ちなみにオスです。このたびはサポート役にお供させて頂くことになりました。よろしくです」

 それは、ふさふさの毛並みをした狐だった。きちんとお座りしたうえで、丁寧に右前足を上げて挨拶してきた。

 リリアも、つられて挨拶を返した。

「あ、これはどうも、よろしくお願いします」
「やだなー、姫様。別に頭なんて下げなくていいんですよー。わたくし、下のクラスの妖狐なんで。長らく人間に化けてもいられませんし」

 何が面白いのか、そう自分で言ってフィンはけらけらと笑った。

「姫様、ご安心ください。フィンはこういう奴です」
「ああ、そうなの……」

 愉快そうなところが、ちょっとアサギに似ているなと思った。

 お供にフィンを連れて、アサギに見送られリリアは屋敷から飛び立った。
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