半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「しつこいなと思ったら、うちが婚約者の筆頭候補だったのか?」
「その可能性も十分ありますね。もとより、ウチ狙いだった、と――旦那様がそっけない返事を出されるので、しびれを切らした感じでしょうね」

 相談で呼び出されたアサギが、冷静に分析してそう述べた。

 ここはツヴァイツァーの執務室だ。今回、手紙の件で家族会議をすべく、当事者である十二歳のリリアと、伯爵家執事の黒狐アサギも同席していた。

「恐らく国王達の方としては、妖怪国との結びつきが強くなった伯爵家と繋がりを作りたいのでしょう」
「この長々とした鬱陶しい手紙を見ていると、そうなんだろうなってのが、俺もようやく分かったよ」

 髪をガリガリやったツヴァイツァーは、困ってはいるが苛々もしている、といった様子でアサギに相槌を打った。

 手紙は、これまで以上の長文となっていた。

 そこには『婚約は双方にとって悪くない』という説得部分が、よりよく強められてだらだらと書かれてあった。

 とうとう本心を見せてきたかと、リリアの怒りは爆発しそうだった。家同士がどうのとか、今後の双方の関係が、と綴られているのも大変気に食わなかった。
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