半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 手紙を送り付けた件に関しては、まだ父には話していなかった。迷惑はかけたくない。正式に婚約破棄が決まったら、領主を継ぐ相談をしたいと思っている。

 リリアは、結婚をしないだろう。

 しばらくは、婚約だの結婚だのは考えないつもりでいた。

 公爵令嬢アグスティーナの言葉で、改めて目が醒める思いがした。半分あやかしの血が流れている自分を受け入れて、夫婦となって子を残してもいいと思う人なんて――。

「つまるところ、あとは、あの王子の対応待ちってことですよね」
「ポンッとやってくれると思うわよ。今じゃ立派に決定権も発言権もある立場みたいだし」
「あ~、それはどうですかね~」

 どこか面白げに、アサギは棒読みで言った。

 リリアは、そんな適当な相槌にむきになって言い返した。

「私が婚約者で、ずっと迷惑していただろうしっ」

 いつもハッキリと言うくせに、本当に困らされていた『婚約』という核心部分を黙られていたことには、なんだか腹が立っていた。
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