半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「父様、すごく困ってる顔してるわね。もしカマルが言っていた娘さんの父狸だったら、ごめんなさい。大丈夫よ、だから落ち着いて」

 リリアは、父の眉間に出来ている皺を、指でぐりぐりとやってほぐした。

 母のオウカ姫と同じ仕草だった。アサギが、しみじみと思って見つめている中、ツヴァイツァーもやや緊張がほぐれたように少しだけ笑う。

「リリア、ありがとう。俺は大丈夫なんだが、まぁ、どうしたものかと思って」
「私が行くわ。だから、大丈夫よ」
「えっ、リリアが行くのかい?」

 先にかけられた言葉の意味に気付いて、ツヴァイツァーが目を丸くした。集まっている村長らも、同じような反応を見せた。

「お、お嬢様が行くんですか?」
「しかし先程、我々もちらりと森の向こうに頭を見ました」
「とんでもない大きさですよ」

 すると、彼らの足元にいた狐達も、「ええぇ」と途端に騒がしくした。
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