半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
見守っていたアサギが、口の中で「あーらら」と呟く。
彼女の長い髪が、溢れ出す妖力にふわりと揺れ始めた。大きな狐の耳が、ピクリと反応して殺気立ってやや逆立つ。
「――わたくしも、話したいとは、一度だって言っておりませんわ」
不意にリリアが、今にも笑顔崩壊寸前といった様子で切り出した。
「むしろしつこく『会いませんか?』の要求が続いたうえ、婚約だの見合いだのふざけた一方的な提案をされて、大変迷惑しておりました」
「なんだと? 半分人外混じりの癖に」
「えぇ。えぇ、そうですわ。わたくし、なので人間の価値観と美醜意識も、半分ぐらいしか理解しておりません」
もう我慢ならんっ、こいつ超むかくつわ!
リリアは、笑顔をやめた。その傲慢さを返すようにして、冷ややかにサイラスを見下ろして言う。
「たかが〝あなた程度の人間〟に、期待以下の顔とか言われたくないですし、そもそも、それならあなた様のお顔はどのレベルだとおっしゃりたいんですか? 中の上ですか? 並みですか? ハッ、その顔面、成長する過程で崩れてしまえっての」
彼女の長い髪が、溢れ出す妖力にふわりと揺れ始めた。大きな狐の耳が、ピクリと反応して殺気立ってやや逆立つ。
「――わたくしも、話したいとは、一度だって言っておりませんわ」
不意にリリアが、今にも笑顔崩壊寸前といった様子で切り出した。
「むしろしつこく『会いませんか?』の要求が続いたうえ、婚約だの見合いだのふざけた一方的な提案をされて、大変迷惑しておりました」
「なんだと? 半分人外混じりの癖に」
「えぇ。えぇ、そうですわ。わたくし、なので人間の価値観と美醜意識も、半分ぐらいしか理解しておりません」
もう我慢ならんっ、こいつ超むかくつわ!
リリアは、笑顔をやめた。その傲慢さを返すようにして、冷ややかにサイラスを見下ろして言う。
「たかが〝あなた程度の人間〟に、期待以下の顔とか言われたくないですし、そもそも、それならあなた様のお顔はどのレベルだとおっしゃりたいんですか? 中の上ですか? 並みですか? ハッ、その顔面、成長する過程で崩れてしまえっての」