半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「お前ッ、不敬――」
「お手紙で、あなたのお父様には『子供同士の話し合いだ』と前もって約束させました。……つまり私達は、好きなだけ言葉で殴り合えるってわけでしょ、性悪クソ王子」
右足を踏み出したリリアは、左手を腰に当て、右手の指の関節をゴキリと鳴らした。体の表面にパリパリッと雷が走り、高まった妖力に金色の瞳が怪しくも美しい光を灯す。
先程まで笑顔を浮かべて大人しくしていた、可愛らしい十二歳の令嬢の姿は、もうどこにもなかった。
――高潔にして、傲慢も似合うほどに美しい、冷徹な天狐の姫。
将来、成長するその姿の片鱗をその幼い表情に滲ませ、リリアは言い放つ。
「あなた、最強の魔法使い候補なんですって? ――じゃあ、〝半分人外の私〟が対等で殴り合っても、いいわけよね」
それを聞いたアサギが、うーんと嘘っぽい表情で困り込む。
「それはどうですかねぇ。所詮、人間の子供ですし。なので姫様、いったん少し落ち着きましょうか」
そう言って、アサギが歩み寄ろうとした直後だった。
「お手紙で、あなたのお父様には『子供同士の話し合いだ』と前もって約束させました。……つまり私達は、好きなだけ言葉で殴り合えるってわけでしょ、性悪クソ王子」
右足を踏み出したリリアは、左手を腰に当て、右手の指の関節をゴキリと鳴らした。体の表面にパリパリッと雷が走り、高まった妖力に金色の瞳が怪しくも美しい光を灯す。
先程まで笑顔を浮かべて大人しくしていた、可愛らしい十二歳の令嬢の姿は、もうどこにもなかった。
――高潔にして、傲慢も似合うほどに美しい、冷徹な天狐の姫。
将来、成長するその姿の片鱗をその幼い表情に滲ませ、リリアは言い放つ。
「あなた、最強の魔法使い候補なんですって? ――じゃあ、〝半分人外の私〟が対等で殴り合っても、いいわけよね」
それを聞いたアサギが、うーんと嘘っぽい表情で困り込む。
「それはどうですかねぇ。所詮、人間の子供ですし。なので姫様、いったん少し落ち着きましょうか」
そう言って、アサギが歩み寄ろうとした直後だった。