半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
 言い終わらないうちにも、二人は動き出していた。

 サイラスが腰の杖を素早く抜き取り、走りながら氷の攻撃魔法を放った。リリアも幼い牙を剥いて、同時に駆け出し向かってくる氷の柱を次々に電撃を放って打ち砕く。

 ツヴァイツァーが止める声も聞こえなかった。呑気なアサギの笑い声を聞いて、宰相ハイゼンが遅れて指示を出し、護衛達が制止の言葉を投げつつ向かい出した。

 けれど二人の魔法攻撃は、ほぼ同格の強さでぶつかり合っていた。

 その衝突は空気を震わせて、放電の威力で魔法部隊軍の一部が「わーっ」と弾かれる。

 そのうえ、どちらも十二歳とは思えないほど魔法の展開が速かった。一瞬でも目を離した方が負ける。そう分かって、リリアとサイラスは、互いを睨み据えたまま止まらなかった。

「無礼にもほどがあるぞ小娘!」
「小娘ですって!? じゃあ、あんたは小僧でしょうが!」

 同じ年齢なのに、何言ってんだこいつ!

 リリアは、止まることなく電撃を放ち続ける。それを防いで弾くサイラスは、杖一つで無詠唱に次々と氷の魔法を発動させていた。
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