アメリカで誘拐された時の脱出方法!
君ってスタイルいいし、好みの顔だから選んだんだ。そうアルフレッドが言ってくれたことはちょっと嬉しかった。でも、こんな状況で言われても怖いだけだ。

「じゃあ、そろそろ始まるね。大丈夫だよ。ここでずっと大切に保管してあげるから」

アルフレッドがメスを手にし、あたしは「いやぁぁぁぁぁ!!」と恐怖で泣き叫ぶ。嫌だ、こんなところで死にたくない。まだやりたいことがたくさんあるのに!

アルフレッドが狂気的な笑みを浮かべて近づいてくる中、あたしの頭の中に一瞬、昔見たYouTubeの動画を思い出す。そうだ!最後のチャンスだ!

「待って!殺すなら時間をちょうだい!」

あたしがそう言うと、アルフレッドはピタリと手を止める。危ない。もう少しであたしの足に体にメスが入るところだった……。

「時間?」

アルフレッドは首を傾げ、あたしは「そう!時間!」と笑う。一か八かの賭けだ!

「ほら、アメリカの死刑囚って処刑される二十四時間前に自由な時間を与えてもらうでしょ?食べたいものを食べたり、会いたい人に会ったり……。あたしにもそういう時間がほしいの」
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