強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
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学校祭が始まり、校内は人で溢れかえる。
わたしたちのクラスのお店もそこそこ人気を集めているみたいで、他校の生徒の制服もちらほら見かけるようになった。
……と言ってもほぼ裏方のわたしは、教室内の様子をチラッとしか見ることができていないのだけれど。
「いちごスペシャルお願いー」
「はーい」
レジの方から指示を受けて作り始める。
わたしの仕事は焼かれたクレープ生地にトッピングをする係。
たった今注文が入った"いちごスペシャル"は、たっぷりの生クリームにいちご、その上にいちごソースをかけたもの。
確かに女の子はいちご好きだよね。
学校祭が始まってから、この商品はよく売れている気がする。
───それにしても。
「いらっしゃーい! 美味しいクレープ食べていかない?」
そうノリノリで集客をしている人気者のアイツ。
学年クラス問わず有名人の神風くんはどんどんと人を呼び込んでいる。
お陰様で裏方のわたしたちはとても忙しい。
他校の女の子たちも神風くんを見つけてはわらわらと集まってきて、「神風くんがオススメするなら」とクレープを買っていく。
あんなに笑顔を振りまいてるけど、内心、超面倒くさいとか思ってるんだろうな、きっと。