遠い記憶
俺は、美紀の手を握り手の甲をなでながら

「ゴメンな、美紀… 痛かっただろう?…
赤ちゃんを守ってくれたんだなぁ…。
ありがとう。 
美紀…そろそろ起きろよ。
お前と話しがしたいよ〜美紀…

大好きだよ…愛してる…
ゔ〜。神様、美紀とお腹の赤ん坊をどうか、どうか助けて下さい。
お願いします…ゔ… 美紀〜…」

涙を手で拭い、明るく、無理な笑顔を作り、
「そうだ!美紀〜、さっきさ〜、医師から赤ちゃんのエコー写真もらったんだぞ!
まだ小さいのに、頭や腕や足がわかったんだぞ!
俺もパパになるから泣いてちゃ赤ん坊に笑われちゃうな…ハハ…
俺も、もっとしっかりしないとな!」

圭介は、鼻をすすり、涙を手でぬぐって、美紀にまた笑顔をみせてから…

「また、明日も来るからな。ゆっくり休むんだぞ…」
と、椅子から立ち上がって美紀のおでこにキスをした。

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