【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
無視を決め込むなんて出来るわけない。
「おっしゃ! 聞いてくれるか!?」
顔をパッと明るくさせた矢坂は、俺の隣に回り込んできた。
……近。
「あのな!? 俺はやめた方がいいって止めたんだよ! 西宮に傷ついてほしくねぇし……」
「芽衣が困ることでもあった?」
そんな話は聞いてなかったけど。
最近は口を開けば「どれくらい甘いのなら平気かな!?」ってそればかりだったから。
「ああ。 あのままじゃ、西宮が痛い目にあうだろうな……」
「なんのこと?」
「だが、それは羽川! お前次第なんだぞ!? 俺からアドバイスだ! 男ならそこは黙ってるべきだと思う!」
全く話が見えない俺に、ゴクリと喉を鳴らした矢坂は、
「西宮がバキバキの金でも、しっかり受け入れてやれよ!!」
矢坂は大声で叫んだあと、逃げるように車に乗り込んだ。