【完】イミテーション・シンデレラ
「俺は綺麗系」
ガガアアアアン…!
まるで頭の上をタライが落ちてきたような衝撃だ。
分かっている。昴のタイプなんて、ずっと知っていた。勿論自分がそれとは酷くかけ離れている事も。
「大人っぽくて、美人な子がタイプ」
「そうなんですかあー。大滝さん、大人ですもんねぇ。お付き合いする女性も大人っぽい方なんでしょうねぇ」
「梨々花ちゃんも綺麗だよね。」
昴のその言葉に、梨々花の頬はピンク色に染まって行く。
熱を持った両頬を押さえて、梨々花は照れくさそうに顔をくしゃくしゃにして笑う。
暗に自分のタイプは梨々花です、と言っているようなもんじゃないか。 ふたりのやり取りを見て、惨めになるばかりだった。
もう…楽屋から出て行って、ふたりでやってくれないかなあ…。
「そ、そんな私なんて…」
「でも最近は好みのタイプだから、好きになるわけじゃないんだなーって感じてる。
見た目のタイプってあくまでも自分の理想なだけであって、本当に人を好きになるとタイプじゃなくっても全部愛しく思えるんだなーって」