【完】イミテーション・シンデレラ
「岬ちゃんが後10年位待っていてくれるっていうのならば」
「無理。絶対無理。私結婚は20代のうちに絶対にするの!
子供は3人!これはもう決めているの!」
「じゃあ、極秘結婚しちゃう?」
「ネットの集中業火を浴びるのだけは勘弁ね」
類くんは声を立ててけらけらと笑う。 全く、今売り出し中のLUNAのメンバーと噂になんかなっちゃったりしたら
想像しただけでもメンタルは持たない。
…けれど、昴はどうだろう?
グリュッグエンターテイメントという事務所は別に恋愛禁止ではない。 推進しているわけでもないけれど、俳優はそこまで口うるさく言われない。
だからこそ、真央の結婚も認められたし、昴も昴で大物女優と熱愛の噂が出ても仕事に支障はなかった。
昴と結婚ならば…。
て、私ったら何を考えているんだ。付き合っても居ないくせに。よくもまあ、自分の都合の良い妄想をここまで繰り広げられるものだ。
グラスに入っているビールを一気に飲み込み、頭を冷やす。 そんな私を見て、類くんはくすくすと小さく笑う。全くどっちが年上だ。遊ばれて、からかわれている気がしなくともないんだけど。