【完】イミテーション・シンデレラ
「岬ちゃんって好きな人がいるでしょう」
「ぶはあ!」
思わず飲んでいたビールを吹き出してしまう。
「ああ、もう分かりやすいなぁ。
すいませーん!ティッシュ下さいー!」
ティッシュを受け取ると、類くんはまるで子供の様に私の口を拭う。
やっぱりどっちが年上か分かったもんじゃない…!
「その人とは付き合ってないの?」
「…付き合ってないわ。私達、そういう関係じゃないもの…。」
「それって同業でしょう?」
ぎくり。
どうしてこの子は人の心を読むような真似ばかり…。
もしかして能力者なの?!(何のよ!私のバカバカバカ)
誤魔化すようにドリンクカウンターからお酒を手に取り、ごくごくと呑み込む。 こんな話、素面じゃ出来ない!
そして今日飲みすぎてしまった事がそもそもの間違いだったのだ。 この日に戻れるのならば、水難の相が出ていると今日の自分に教えてあげたい。
「ちょっと…岬ちゃんそれテキーラだけど大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!結構お酒は強い方なんだから。
すいませーん、これおかわりください!」