【完】イミテーション・シンデレラ
「ありがとうございます。芽衣さんも相変わらずお綺麗で」
「もぉーッ昴ったらあッ。」
キャッキャッと昴と一緒にはしゃぐ魔女を見て、どっと疲れた。
静綺のお母さん並みに…いやそれ以上にパワフルな女だ。 この女に真央と付き合ってる時どれだけちくちくと嫌味を言われたか、積年の恨みは晴らせそうにない。
けれど、静綺とは上手くやっているようで安心した。 魔女とさえ仲良く出来るのは、静綺の人柄のお陰か。
「やっぱりここにいやがったか、ババアッ!」
「こらこら、真央。 芽衣ちゃんをババアなんて呼ぶんじゃないよ。」
バンッと乱暴にドアが開くと、そこには白いタキシード姿の真央と真央の父親のひー君が立っている。
何て騒がしい控え室だろう…。
真央には私と昴の姿なんか見えちゃいない。 魔女に怒りを露わにした後、静綺のウェディングドレス姿を見て固まっている。
静綺も静綺で真央にポーっと見とれていて、互いに顔を真っ赤にして照れまくっている。
やっぱりこう見ると、静綺と真央はお似合いだ。 運命に結ばれたふたりだと言えるだろう。 ちょっぴり悔しいけれど、今は心からふたりの幸せを願える自分がそこに居た。
「岬、行こうッか。」
「うんッ」
騒がしい控え室を後にして、特別に式場側が用意してくれたゲストルームに昴と一緒に行く。