【完】イミテーション・シンデレラ

「愛は寛容であり、愛は親切です。
また人をねたみません――
愛は自慢せず、高慢になりません――」

ハンカチで涙を拭いながら、ひとりこくこくと頷く。

昴が隣で背中を震わせながら、笑いを堪えている。 人が感動してるってのに、失礼な奴だ。
ああ、結婚式なんて初めて参加するけれど、ここまで感動するとは思わなかった。

神父さんの言葉のひとつひとつが心に刻まれていく。 私が結婚するわけじゃないのにおかしな話だ。

「健やかなるときも病める時もこれを敬いこれを愛しこれを慰めこれを助け
この命のある限り真心を尽くす事を誓いますか?」

「――はい、誓います。」 そうハッキリと真央のハスキーボイスが響いたと同時に、隣に居た昴が私の耳元に唇を近づけ「誓います」と小さな声で言った。

驚き目を丸くする私に、にっこりと笑いかけて見えないようにぐっと強く手を握った。

この不意打ちはやばい。 私の視線は本日の主役の真央と静綺ではなく真っ直ぐと昴を射抜く。

「岬は?」

耳元で囁く声に、涙で声に鳴らずにこくこくと頷くばかり。
泣きすぎて、言葉になんかならない。

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