【完】イミテーション・シンデレラ

「二日酔いにはうどんが良いよ。食欲がないけど、食べた方がいいよ。
岬ガリガリじゃん」

1回やったら冷たくなってしまう男が多い昨今、こんな至れり尽くせりされると勘違いしてしまう女の子の気持ちが分からなくもない。

昴は無意識に優しくて、無意識に女の子をときめかせてしまう。

これが私じゃなくたって、同じ状況ならば親切にするような男だ。 そういう所、大嫌いなのに。 誰にでも優しいなど、誰にも優しくないのと同じなのに。


昴の作ってくれたうどんの具は、ネギと卵だけ。

だけど優しい味がした。 笑うとくしゃっとなってもっともっと優しくなる、昴らしい味がするから

もっともっと切ない気持ちになる。

「またね。」そう言って玄関で見送られて、昴のマンションを後にする。
結局昨日の夜の事は互いに口にしなかった。それが大人という物なのだろうか?

私も昴ももう大人。 言葉にはせずとも昨日の事は無かった事にしましょうって意味だろうか。 そもそも私何も記憶ないし。

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