かりそめの関係でしたが、独占欲強めな彼の愛妻に指名されました
「問題ないよ。そんな誰が言いだしたかもわからない無責任な言葉は俺が足元から崩すから」
言い終わるや否やキスされる。
じゃれ合うようなキスを繰り返されているうちに、自然と笑みがこぼれ、私も桐島さんの首に腕を回した。
「じゃあ、計画的にお願いします」
暗に失敗しないでくださいね、と伝えると、桐島さんがおかしそうに笑って私の腰を抱き寄せた。
「得意分野だ。まかせて」
クライアントからの信頼がこれでもかってほどぶ厚い桐島さんの、これ以上ない心強い返事に、キスしながらこっそり笑う。
桐島さんに会社の未来を委ねるクライアントの気持ちがわかった気分だった。
桐島さんは過去の私をヒーローなんて揶揄したけれど、桐島さんこそ、クライアントにとっても私にとってもそういう存在だと思う。
私の初恋のひとは、とても頼もしいヒーローで、少し打算的な王子様だ。
END


