東京ヴァルハラ異聞録
完全に入った!


今までで一番の手応え。


ルークの顔から血が噴き出した。


が、それは僅かな量で、致命傷とは言い難いかすり傷程度。


「マジかよ……完璧に決まったはずだぞ」


呆気に取られる俺を、ルークの目が睨み付けた。


まずい!


慌ててビルに飛び移り、地上にいる名鳥達と合流しようとしたけど。


ビルに移動した俺の頭上に、ルークの拳が振り下ろされたのだ。


まるで瓦割りのように、ビルが粉砕される。


「あ、あぶなっ!!」


かろうじて隣のビルに移動したものの、こんなのをまともに食らったら死んでしまう!


以前のやつよりも、鎧は頑強そうだしなによりデカい。


俺の居合斬りで付けた傷は、以前のルークに秋本が付けた傷と同程度。


つまり、俺単体でルークの頭蓋骨を粉砕する事は出来ないって事だ。


「おい!昴!!無理するな!降りて来い!」


どう戦えばいいか悩んでいる俺に、下から名鳥が声を掛けた。


その声にすがるように、俺はビルを飛び降りて、地上にいる名鳥達の前に降り立った。


「……真治くん!?」


俺を高山真治と間違った女性。


なんだ、だからこんなに華麗な動きが出来るのかと、一人で納得した。
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