東京ヴァルハラ異聞録
必死に武器で、ミョルニルを防ごうとした橋本だったが、あまりの威力で後退させられる。


さらに……攻撃を防いだマクアフティルがビシビシと音を立てて、粉砕されてしまったのだ。


「な、なにっ!?」


強大な敵を前にしての武器破壊。


それは、完全な敗北を意味していた。


橋本はそれがわからないほど馬鹿ではなく、この男に勝てないと理解していたが、その理解を心が上回った。


「さあ、そこを退け。お前より俺の方が強い。キングの場所を教えたら、殺さずにおいてやる」


「まさか、この俺がこうも簡単にやられるとは……だがな!ここは通さん!1分でも、1秒でもお前を止められるなら、俺はよろこんで犠牲になってやる!!」


その気迫の込められた言葉に、伊良は思わず足を止めた。


目の前にいる男は武器を破壊されて、自身を止める力などありはしない。


だが、これほどの力量の差を見せ付けられて、退かなかった人間を見たのは千桜に続いて二人目で、西軍にはこんなやつらばかりがいるのかと、微かではあるが恐怖を感じた。


「1分止めたところでお前らの運命は何も変わらない。キングは破壊されてお前らは弱体化。ここは南軍が支配する。何度でもキングを破壊して、お前らは俺達の奴隷になるんだよ」
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