東京ヴァルハラ異聞録
「ど、どうするんだよ!絶対に仕留められるって言っただろ!?ダメだったじゃないか!」
「ちょっと黙っててください。接近戦になったら、直樹さんの出番なんですから」
そこにいたのは美佳と直樹。
ゼロ・クルセイダーズが壊滅してから、二人はこの地を離れずに、密かに昴への復讐を狙って強くなる為に戦い続けていた。
そこに現れたのが、まさか川本と大塚だというのは予想外だったが、二人にしてみれば昴を倒す前哨戦と、自分の力を試す良い相手だったのだ。
「あの時はよくもやってくれたな。これは西軍をどうこうって戦いじゃない。完全な私闘だから遠慮はしないぜ?」
左右の拳を合わせ、美佳と直樹を睨み付けた川本。
「……私は何も言いません。川本さんにとっては、ぬぐい去りたい過去でしょうから」
「サンキュー、マスター。じゃあ、さっさと終わらせるとするか!」
大塚に笑って見せた川本は、美佳と直樹がいる場所へと駆け出した。
あれから川本も相当強くなったのだろう。
一歩一歩が力強く、そして速い。
「くっ!接近されたら不利ね!」
弓を構え、川本のそのスピードさえ捉えて、美佳が矢を放つ。