東京ヴァルハラ異聞録
だが、そう来るとわかっていて防げない人達ではなかった。


「ふぅ……誰も怪我はないな?やれやれ、なんて武器だよ。一人でなんだってやれるじゃないか」


「いてっ!いってっ!なんで俺だけ!!朝倉さん!本当に勘弁してくださいよ!!」


誰も矢の直撃を食らっていないと思われたが、光輝だけは完全には防げなかったようで、腕に刺さった矢を抜いて地面に叩き付けた。


「光輝は下がってなさい。朝倉さん相手に勝てると思えないでしょ?」


「いや、まあそれは。じゃあなんで俺を連れて来たんですか。わけがわからないですよ」


少しでも朝倉の説得に使えればと、桜井は光輝を連れて来たわけだが、ただ負傷させるだけの結果となってしまった。


それでも、桜井はそれを見逃す事はしなかった。


「朝倉さん、南軍の人達を守ると言っておきながら、光輝に怪我をさせるとはどういう事ですか。あなたの元を離れた味方は、もう仲間ではないという事ですか!?」


「私の心を掻き乱すな!!仲間でないなら敵だ!!この街では強さが全てだ!強ければ何だって手に入れられる!」


「それで手に入れた場所が、本当に安らげる場所だと思うんですか!?私達は戦う為にここに来たわけじゃありません!皆仲間になれば、解決する問題じゃないですか!」
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