東京ヴァルハラ異聞録
~神田~


「なんだ、この揺れは!?またどこかにあの光が降り注いだとでも言うのか?」


西軍を北上する伊良もまた、尻餅を突き、不安そうに辺りを見回していた。


目の前に、どういう集団かわからない四人を捉えて。


「これはなんだ!?まさか結城のやつが何か……」


「たかだか人間一人に、このような事を起こせるほどの力などないだろう。きっと、別の何かが起こったのだ」


四人が伊良の近くに降りたのは偶然だった。


だが、昴や月影のように、何かに引かれたという可能性も否定は出来なかった。


「皆、見て。伊良王毅……そこにいるわね」


明がそう言うと、秋本と恵梨香、そして三原はその方向を見た。


「伊良さん!やっぱり、西軍を乗っ取ろうとしているんですか!?」


「……なんだ、三原じゃないか。南軍の崩落に巻き込まれずに東軍にでも逃げたか。それはいい。でも、そいつらはどういう事だ?」


重そうな身体を、ゆっくりと起こして立ち上がる。


「俺は……俺達は、バベルの塔を目指すんですよ。その為に伊良さんの力を貸してほしいんです。お願いします!」


「バベルの塔……か。それ、本気で言ってるのか?東軍と北軍を引き連れて、断れば殺すつもりか?」
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