東京ヴァルハラ異聞録
三原の他に三人、東軍と北軍の最強クラスの人達と共にやって来たかつての仲間を見て、伊良の心中は穏やかではいられなかった。


「南軍の伊良王毅!なんなら俺が戦ってやってもいいぜ!?殺し合おうぜ!」


秋本がハルベルトを構えて、狂気じみた笑みを浮かべるが、三原はそれを止めた。


「話を拗れさせないでくれ。俺が話を付ける」


「……秋本、ここは三原に任せてみようではないか。力押しでは、仲間は集まらんからな」


恵梨香にそう言われ、秋本はどうにも納得がいかない様子。


「伊良さん。もう、人間同士で戦っている時じゃないんですよ。力を合わせて、皆で元の世界に戻りましょう。バベルの塔の頂上に行って、こんな戦いの日々はもう終わらせましょうよ」


「……そう言われて、お前はそいつらの仲間になったのか?そんな夢物語を信じて、俺の前に現れたってのか?」


伊良の言いようのない圧力に、三原は思わず一歩後退する。


敵として対峙していれば、思わず武器を構えてしまいそうな。


そんな力を感じていた。


「ゆ、夢物語ではないと思います。こうして、戦えるやつらが集まって、軍の垣根を越えて力を合わせようとしているんです!伊良さんも……俺達と一緒に戦ってください!」
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