東京ヴァルハラ異聞録
「ビショップの次は正体不明の何かかよ!まさか、クイーンとか言うんじゃないだろうな!」


その可能性は大いにある。


それにしても月影……何かが落ちてくると感じたのは偶然か?


美姫が超能力を持っているように、月影にも何かそんな力が備わっているとしたら。


いや、今はそれよりも地震の原因を確認するのが先決か。


「ビルの屋上に上がりましょう!ここよりも少しは見えるはずです!」


「そりゃ正論だね。じゃ、ひと足お先に」


俺がそう言うと、名鳥は武器を槍に持ち替えて、グッとしゃがみ込んだ。


そして、地面を蹴り付けるようにして飛び上がり、あっという間にビルの屋上へと移動したのだ。


「いいな、槍は垂直移動が楽でさ!」


なんて事を漏らしながら、俺もビルの壁面を駆け上がり一気に屋上へ。


「あ、あいつ、壁を駆け上がりやがった……」


「光輝、先に行くわよ」


呆気に取られる光輝の横で、女の人が名鳥と同じようにジャンプ。


あっさりとビルの屋上に飛び移ったのだ。


「そういや紹介していなかったよな。このレディは朝倉ほのか。南軍の総大将と言えばわかるかな」


「挨拶なんて良いわ。それよりも……何、あれ」


ビルに飛び移ったばかりの朝倉が指差した両国の方向。


そこに見えたのは……とてつもなく巨大な狼だった。
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