東京ヴァルハラ異聞録
「で、でかい!一体何十mあるんだ!」


「いやはや……こりゃあ……参ったね、うん」


俺も名鳥も、恐怖を感じるほどの大きさ。


ルークと比べれば、その大きさはまだ小振りだけど、銀色に輝くその姿は圧倒的だ。


「あんなのが暴れたら……この街は人が住める場所じゃなくなる」


朝倉の感じ方は正しく思えるな。


ルークより小さいけど、ビショップよりも危険だ。


「グルルルルル……アオオオォォォォン!!」


その巨大な狼が、まるでこの街に住む人達を恐怖させるかのような咆哮。


空気を震わせて……なんてレベルじゃない!


衝撃波のような声が俺達を襲い、屋上から再び地上へと吹っ飛ばされたのだ。


「うわっ!」


あまりにも凄まじい力に、為す術もない。


俺達は何とか体勢を整えて着地したけど、あれをどうすれば良いのか見当もつかなかった。


「い、今の声は……何!?」


耳を塞いでいる皆の中で、月影が尋ねる。


「とんでもない化け物が落ちたみたいだね。月影ちゃんの言う通りだった。あれは……俺達の手に負える化け物じゃないよ」


名鳥でさえ、そう感じるほどの化け物。


このまま戦わずに……なんて事は不可能だろうな。
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