ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目
コンコン。
もう一度、優しく教卓を叩く音がしたけれど。
教卓の下で、
小さくうずくまることしかできない私。
その時。
陽だまりみたいに温かい綺月君の声が、
私の耳に届いた。
「悪かったな、立花」
へ?
「嫌な思い……させて……」
綺月君の顔は見えない。
柔らかい声だけが私の耳に届いて、
困惑してしまう。
綺月君が私に……謝ってくれたの?
そんなはずないよ。
だって私、
高校入学から目も合わせてもらえないくらい、
綺月君に嫌われているから。