ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目


 綺月君の心の中なんて、
 1ミリもわからなくて。
 
 早く教室からいなくなってと、
 お守りの代わりに、雑巾をきつく握りしめる。



 その時。


「雑巾持って。
 こんな狭いところで縮こまって。
 立花って、シンデレラなわけ?」


 私が、シンデレラ?


 さっきよりも、
 綺月君の声がクリアに聞こえたような……



 恐る恐る、顔を上げ……


 ひゃっぁぁぁぁぁ!!!!



 き……き……綺月君の……
 か……か……顔が……


 私の真上に!!!!!




 
 綺月君は教卓に手をついて、
 見下ろすように、私に視線を向けている。


 目が合ったのなんて、初めてだよ……

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