ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目



「立花はシンデレラより、
 赤ずきんっぽいか」


 な……な……なんで?

 綺月君、なんで優しく微笑んでいるの?



 もちろん

 私を見て微笑んでくれたことだって、
 今日が初めてだよ。



 その笑顔が、陽だまりみたいに優しくて
 
 私の心が、勝手にそわそわしてしまう。



「立花、安心して」


 ほぇ?


「罰ゲーム、絶対にさせないから」


「あ……ありが……とう……」

 

 私のお礼を聞いて、
 さらに目じりが下がった綺月君。


 八重歯が顔を出すやんちゃな笑顔に、
 私の心臓は高まる一方。



「ひゃぁ!!」



 教壇の下にうずくまる私の前に
 
 綺月君も、目線の高さを合わせるように
 しゃがみ込んだ。



 ちょっとでも動いたら、
 触れてしまいそうなほどの近さ。

 ドキドキが、さらに加速してしまう。


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