東京ルミナスピラー
ヘルメットを脱ぎ、髪を振り乱して素顔を晒した女性。


それは紛れもなく、俺の夢の中に現れた母さんだった。


「さあ葵。私達がお前を見極めてやる。どれだけ強くなったか……その力、見せてみろ」


トンファーを両手に持ち、俺を挑発するように指差して笑う。


「父さんと母さんを倒さなければならないんだね。ひとつだけ聞かせてくれないかな。もしも俺以外の誰かがここに来ていたら、それでもここにいたのは父さんと母さんなの?」


「ああ、『俺』がここにいることは変わらないからな。誰が来たとしても『クイーン』は北条恵梨香で、『キング』はこの俺、高山真治だ」


鞘に納められた日本刀を左手に持ち、いつでも始められると言わんばかりの気迫を感じる。


これが……黒井が言っていた「黒狼」と「死神」なんだろうな。


俺はこの二人に近付くことが出来たのだろうか。


「それなら、ここに来たのが俺で良かったよ。他の誰かに、自分の親が殺されると考えたくなかったからさ」


右手に日本刀、左手にトンファー。


まるで向かい合う二人が、一人になったかのような存在が俺だ。


「ほう? 大口を叩くようになった。これは少しばかりお仕置きをしなければならないな」


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