東京ルミナスピラー
トンファーが交差する向こうに、楽しそうに俺を睨む母さんの顔が見える。


ギャリッとトンファーを擦らせ、身体を回転させて裏拳のように日本刀を横に振ったが、母さんも同じ動きをしていたようで、背中がピタリと合ってお互いの攻撃は空を切り、動きを止めたのだ。


「この動きについてくるか、葵!」


「母さんだって、年の割に機敏じゃないか」


「馬鹿者! 今の私はまだ24だぞ!」


ドンッと尻で俺を押し、ほんの僅かに開いた隙間に足を滑り込ませて蹴る。


バランスを崩して、踏ん張るように床を踏み締めた俺が慌てて振り返ると、既に母さんは俺に接近していて、振り上げようとした俺の両腕を掴んでニヤリと笑ったのだ。


その次の瞬間。


俺の膝を踏み付け、下から蹴り上げる強烈なサマーソルトキック。


しかも、腕を掴まれていたから衝撃を逃がすことが出来ずに、モロに食らってしまった。


脳が揺れ、膝から崩れ落ちる。


「どうやら名鳥は、体術は教えてくれなかったようだな。その程度か嘆かわしい」


華麗に着地して、膝を付いている俺にさらに蹴りを放つ。


武器で殴られたわけじゃないのに、なんて威力なんだよ!


後方に吹っ飛ばされて、それでも何とか立ち上がった俺は、大きくひとつ、深呼吸をした。


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