東京ルミナスピラー
「素晴らしい! 素晴らしいね結城昴! そして……北条葵。あの篠田に勝つなんて、想定していなかった」


「全くだ。おかげで貴重な駒が一つ減ってしまった。また補充せねばな」


ビルの上、パチパチと乾いた音が聞こえて見上げてみると、そこには煌我と津堂の姿が。


タケさんを囮に逃げるかと思っていたけど、王我の言う通り、高みの見物をしていたのか。


「池田煌我! お前、何が目的なんだよ! この街の支配には興味がないとか言っておきながら月影を誘拐したり、タケさんを操ったりしてさ!」


日本刀を向けて煌我尋ねると、ニヤリと笑みを浮かべて。


「目的の為に、支配する必要があるのなら支配する。ただそれだけで深い意味はないさ。それに……月影を返してほしければ返してあげるよ。あいつなら上手くいくかと思ったけど、適合しなかったようだからな」


「お前達が見付けた、俺達のビルに月影はいる。他にも何人かいるが、全員返してやろう。どうせ用済みだ」


津堂の人体実験。


ホテルで見た、内臓が飛び出した死体を思い出して、不安に襲われた。


まさか、月影達もあんな姿に……と言う考えが脳裏を過ぎった時だった。


凄まじい殺意が、別の場所から放たれていることに気付いたのは。
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