東京ルミナスピラー
その手には人間の脚が掴まれていて、まるでフライドチキンでも貪るように、肉を口に運んでいた。


「お前は……北軍で灯と舞桜を殺した化け物か。南軍にまで逃げて来たのか、それとも同じような化け物が何人もいるのかは知らないけど」


この化け物も、煌我達を追っていたのだろうか。


俺と結城さんには目もくれず、さっきまで煌我達がいたビルの上を見ているけれど、その姿がなくて困惑しているようにも見える。


なんだこいつは。


見境なく人を襲うかと思ったけど、どうやらそうでもなさそうだ。


かと言って、灯と舞桜を殺した化け物を放っておけるほどお人好しではない。


「悪いけど、ここで倒させてもらう。煌我と津堂に恨みがあるのかもしれないけど、お前自身が、津堂が生み出したモンスターと言うなら、ここでその命を断ってやる」


俺の隣に、折れた日本刀を構えて立った結城さんに気付いたのか、ピクッと反応して化け物はこちらに顔を向けた。


「まさか津堂……あいつはこんなものまで……」


ため息混じりに、悲しそうな表情を見せた結城さん。


だけど俺にはその意味がわかっていなかった。


なぜ、化け物を前にそんな悲しそうな表情をしているのか。
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