翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「岡崎君おはよ!あのね、A組でなんかしたの?女子が騒いでるよ?」

二人で彼に詰め寄ると、岡崎君はあくびを噛み殺しながらゆっくりとした仕草で席について少しはにかんでみせた。

「たいしたことじゃないよ」

「そういうの気になるじゃん」

岡崎君て、なんかいつも思わせ振りなんだよね。

「それより平澤さん、憑き物が取れた顔してんね」

「憑き物って!」

……華世ちゃん笑いすぎだから。

「もしかして、宮辺とうまくいったんだ?」

岡崎君は、なんて洞察力に優れているんだろうか。それとも私が単純でわかりやすいだけなのか。

「えーと、あの、実は私……翔ちゃんの彼女になりました。ってやだ岡崎君!言わせないでよ恥ずかしい〜!」

思わずバッチンバッチン岡崎君の背中を叩いてしまった。

「やめて痛い!痛いって!」

「あっ、ごめん。強かった!」


更に華世ちゃんが大笑いした。
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