翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?

「岡崎は、橘之宮ちぇりこで間違いないってこと?」


それであのタイトル。


「そうだよ」


「バイトって、もしかしてアシスタント?尾崎さんも一緒に」


「うん。すっごく楽しくて、翔ちゃんに色んなこといっぱい話したくて、でも話せなくって苦しかった」


美緒が鼻をすすりだしたから、少し焦ってきた。


「じゃ、あんな格好で駅にいた理由は?」


「それはね、瞬きなしで原稿上げちゃう先生は、常に……ドライアイだからそれで……追っかけて……それで奥寺さん、の目薬、ないと……うっ……」


「慌てなくていいから、ちょっと落ち着け」


「……目が開かなく、なるから、届け、なくちゃって、岡、崎君……が、んばってる、から………うぐっ、うぐっ」


「わかった。わかったから」


泣くことないから!
フタ、どこだよ涙腺のフタ!



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