翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
予想以上にビッグウェーブが早く来て、泣かれそうになっておたおたしてる俺って超絶ださい。
「ずっと、謝りたくて……ごめんなさい、私が……無神経だから、うぐっ、ごめ、んね」
「いや、ちゃんと話聞こうとしなかった俺の方が圧倒的に悪いから。ごめんな。もうわかった、すべてわかったから」
「だって……だって、うっ、ぅ」
「辛い思いさせて、最低だな俺」
泣きたい気持ちと闘うときの美緒の癖を思い出した。一直線に口を結んで、瞬きひとつ、我慢して。
そんな顔させないからって、ガキの頃の俺が決意したことを思い出した。
次から次に思い出した。
「……はい」
両手を広げてみる。飛び込んできて欲しくて。
「っ、うっうっ……」
「ほら、来いって。ずっと待ってんのバカみたいじゃん」
「翔ちゃん……」
「いいよ、ここでなら……いくらでも泣いていいから」