翔ちゃん雨だよ一緒に帰ろ?
「今日学校どーすんの?」
「行く、行くに決まってる!」
トップクラスと最下位クラスで教室は遥か遠く離れてるけど、一瞬でも同じ空間にいたい。それくらいは、許してくれるよね?
「じゃ、そろそろ支度する?」
「うん」
ぴったりと抱き合っていた身体をゆっくりと離して、目尻に残る涙を翔ちゃんは指でそっと拭ってくれた。
困ってるみたいな苦笑い。
抱きしめてくれてた腕も、涙を拭いてくれた指も体温も、初めからなかったと思えばいい。