無口な彼の熾烈な想い
呆然自失の鈴と浮かれ気味の兄夫婦に、綾香は自身の名刺をそっと差し出してきた。
綾香の肩書きは゛Flower of Kent at EAST゛のフロアマネージャー。
接待や全体のマネージメントは綾香が行っており、絢斗はオーナーではあるが、主にシェフとして裏方に徹しているため表にはほとんど出てこないらしい。
無表情でツンツンデレなしの絢斗に接待や広報活動ができるとは思っていなかったため、鈴は、勝手に進められる交渉への拒否感も忘れ、一人納得していた。
「コックコート以外の絢斗は顔出ししてないから安心して食事ができるとは思います。もちろん個室も準備しますからプライバシーも完璧です」
隠すほどのプライバシーなんて生憎持ち合わせてはいない
しかも鈴自身は、この間、食事にでかけることに一度も同意をしていないのだ。
しかも同意を示せば、絢斗と二人きり個室で数時間拘束とか、どんな罰ゲームだろうか・・・。
それにしても・・・
これまでの常識を覆す状況に言葉を失い、立ち尽くす鈴も鈴であるが、言葉を発しない無口な3次元イケメン瀬口は、なぜ反論しないのだろうか?
怪訝な顔で絢斗を見た鈴に、絢斗はジャケットのポケットから1枚の名刺を取り出した。
「連絡しろ」
と、表情も崩さずにそう言うと、花菜から鳥籠を取り上げ、さっさと病院の入り口から出ていってしまった。
「ケントちゃん、だめだよ。一人でお外に出ちゃ」
追いかける花菜を見て慌てて綾香も3人に頭を下げ、
「ではそういうことで。ごきげんよう。お待ちしておりますね」
と、のたまうと出ていった二人を追いかけて去って行ってしまった。
綾香の肩書きは゛Flower of Kent at EAST゛のフロアマネージャー。
接待や全体のマネージメントは綾香が行っており、絢斗はオーナーではあるが、主にシェフとして裏方に徹しているため表にはほとんど出てこないらしい。
無表情でツンツンデレなしの絢斗に接待や広報活動ができるとは思っていなかったため、鈴は、勝手に進められる交渉への拒否感も忘れ、一人納得していた。
「コックコート以外の絢斗は顔出ししてないから安心して食事ができるとは思います。もちろん個室も準備しますからプライバシーも完璧です」
隠すほどのプライバシーなんて生憎持ち合わせてはいない
しかも鈴自身は、この間、食事にでかけることに一度も同意をしていないのだ。
しかも同意を示せば、絢斗と二人きり個室で数時間拘束とか、どんな罰ゲームだろうか・・・。
それにしても・・・
これまでの常識を覆す状況に言葉を失い、立ち尽くす鈴も鈴であるが、言葉を発しない無口な3次元イケメン瀬口は、なぜ反論しないのだろうか?
怪訝な顔で絢斗を見た鈴に、絢斗はジャケットのポケットから1枚の名刺を取り出した。
「連絡しろ」
と、表情も崩さずにそう言うと、花菜から鳥籠を取り上げ、さっさと病院の入り口から出ていってしまった。
「ケントちゃん、だめだよ。一人でお外に出ちゃ」
追いかける花菜を見て慌てて綾香も3人に頭を下げ、
「ではそういうことで。ごきげんよう。お待ちしておりますね」
と、のたまうと出ていった二人を追いかけて去って行ってしまった。