離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 入籍した夜に身体を合わせてから、高城は私を求めてこなくなった。先ほどのように抱き寄せられたり、手を繋いできたりはするけれど、それ以上は触れてこない。

 あの夜は『これから夫婦になるんだから、身体の相性くらいたしかめておこうか』と言っていたから、てっきり頻繁にそういう行為をしなければいけないと思っていたのに。

 私としてはしなくてよいならかまわない。しかし、妻として高城を自分に夢中にさせなければいけない中、これでよいのかとわずかに引っかかっていた。

 初めてでよくわからなかったけど、私、なにか変だったのかな。

 それとも高城は毎日忙しそうにしているから疲れているとか? そもそも一般的にはどのくらいの頻度でするのが普通なのだろう。

 私が頭を悩ませていると、高城が抱きしめていた腕に力を込める。男の胸もとに顔を押しつけられ、息苦しかった。
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