離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 昨日決意した通り、今日店に出勤した私は店長に『お話があるんです』と告げ、事の経緯を説明した。

 そんな事態をまったく知らなかった店長は心底驚いた様子で、さっそく今日私がホールに出ないでいいように計らってくれた。

『待ち伏せされていたら危ないから、帰りも一緒に出よう。悪いけど店を閉めるまで少し待っててくれるかな』という店長に、どうせならと私も閉店準備を手伝ってふたりで店を出た。

「いえ。これならひとりで帰れます。ありがとうございました」

「途中でなにかあったら危ないから。せめて駅までは送らせて」

 食い下がる店長の勢いに負け、「じゃあ……お願いします」とお言葉に甘えることにした。

 万が一なにかあれば結局店長に迷惑をかけてしまうもんね。

 店長の車でカフェの最寄りの駅まで送ってもらった私は、店長にお礼を言って別れ、いつも通り四駅ほど電車に揺られてマンションの最寄り駅で電車を降りた。
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