離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
一階の閉ざされたシャッターにうっすらと残る店の名前を目にするだけで泣きそうになる。
すると、ポケットからなにかを取り出した郁実が、シャッターの前へ行ってガチャガチャと音を立て始める。最後にガチャリと音がして、屈んだ郁実がシャッターを一気に持ち上げた。
外から店内が窺える大きな窓がある、木造の店部分までがあらわになる。
「郁実、どうして鍵なんか――」
「お前を中に入れたいって言ったら、中谷のおじさんが特別に貸してくれた」
「中谷のおじさんが?」
私は驚き果てた。
今この建物は、近所の『中谷不動産』が所有している。
オーナーの中谷のおじさんはうちや郁実の家にもよく買い物に来ていて、会うといつも不動産屋で置いている宣伝用の社名が入った飴をくれた。
すると、ポケットからなにかを取り出した郁実が、シャッターの前へ行ってガチャガチャと音を立て始める。最後にガチャリと音がして、屈んだ郁実がシャッターを一気に持ち上げた。
外から店内が窺える大きな窓がある、木造の店部分までがあらわになる。
「郁実、どうして鍵なんか――」
「お前を中に入れたいって言ったら、中谷のおじさんが特別に貸してくれた」
「中谷のおじさんが?」
私は驚き果てた。
今この建物は、近所の『中谷不動産』が所有している。
オーナーの中谷のおじさんはうちや郁実の家にもよく買い物に来ていて、会うといつも不動産屋で置いている宣伝用の社名が入った飴をくれた。