離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 ここへ来てからの出来事が、映像となって私の頭の中を流れた。

 ……あなたは、本当に利益のために父を切り捨てたの?

 私が目にしてきた男の姿からは、あの過去の悲しい真実が想像すらできない。

 でも、あれは紛れもない事実なんだ。

 シーツに涙が染み込み、冷たさが触れる。一度自覚した想いは、どれだけ願っても知る前のように消えてはくれなかった。
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